枚方で叶える「ちょっとだけ」丁寧な暮らし

ローカルメディアができるまでの100日間

【ドキュメンタリー】ノートに描いた枚方の記憶と未来 ―ローカルメディアができるまでの100日間― DAY3

花瓶に生けた花と大理石柄のテーブル、その上のMacノートパソコンと椅子に座る堀寛未。クリックするとYouTube動画が再生されます。

『ローカルメディアができるまでの100日間』は、枚方市のローカルメディア「Re:HIRAKATA」が形になっていく姿をお届けするドキュメンタリー番組です。

白い壁にピンクの山のポスターが飾られた部屋で、企画ノートをめくる堀寛未の後ろ姿。右奥には観葉植物が置かれている。
社会事業開発ACTION代表・堀寛未

前回は、「Re:HIRAKATA」を運営する社会事業開発ACTION代表の堀寛未(ほり・ひろみ。以下、堀)に、ローカルメディアの名前に込めた想いや、ブランドロゴ制作の経緯を聞きました。

そこで3日目となる今回は、枚方市での思い出や、ローカルメディアの企画ノートの内容を中心にご紹介します。

枚方市出身の堀だからこそ整理できた思い出の可視化や、ローカルメディア企画の具体的なアイデアの書き出し方などもお見せします。ぜひ最後までお楽しみください。

ノートに書き出した枚方の思い出と企画の構想

大理石柄のテーブルに置かれた企画ノート。手書きで枚方の思い出がびっしり書き込まれ、青い付箋が貼られている。
企画ノートには文字がびっしり

メディアの名前が決まり、ロゴも形になった後、堀は次のステップに進みました。

頭の中で漠然と描いていた「こんな内容にしたい」というイメージを、丁寧に整理して言葉にする作業です。ノートを開き、思いつくままにやりたいことや企画のアイデアを書き出していきます。

東京で過ごした日々から、10年ぶりに枚方市へ戻った堀は、変わりゆく町の景色に触れながら、「残したいものがある」という気持ちが自然と湧き上がってくるのを感じていました。

小さな思い出や、子どものころ見た景色、聞いた音、匂いまでもが、町の変化とともに色を変えていくことを実感したのです。

堀:
「ノートには、枚方市で自分がどこで、いつ、何を感じたのかを細かく書き出しました。例えば、牧野にあったヤンプラという大きなプール。夏になると多くの人でにぎわって、子どもたちの笑い声や監視員の笛の音が町全体に響いていて、とても印象に残っています」

枚方市駅構内にある喫茶店「蜜家珈琲店 枚方店」。店頭にはパスタやサンドイッチ、クリームソーダなどの食品サンプルが並び、昔ながらの喫茶店らしい雰囲気を感じさせる。

その声や風景は、写真や映像では残っていなくても、ノートに書き残すことで、再び心に鮮やかに蘇るのだと堀は語ります。

堀:
「御殿山近くの水島書房では、漫画の画材やスクリーントーン、コピックをよく買っていましたし、牧野にあったトップセンターでキラキラしたビックリマンカードを手に入れたこともあります。子どものころの些細な体験も、振り返ると色あせずに残っているんですよね」

ノートに書き出す作業は、ただ思い出を整理するだけではありません。言葉にすることで、その時の感覚や匂い、音までが心の中に戻ってきます。

それは、思い出が個人の中で生き返るだけでなく、町全体の記憶の一部として積み重なっていく作業でもあります。

堀:
「こうした変わりゆく町の思い出を、言葉として共有できる場所があるといいなと思いました。写真や映像が残っていなくても、言語化することで当時の感覚が蘇る。思い出を積み重ねることが、枚方市の長い歴史にもつながるんじゃないかと感じています」

ゴミ拾い、市民インタビュー やりたい企画あれこれ

枚方市役所前に設置された像。台座に腰掛けた幼い子供が指をしゃぶりながら空を見上げている様子。

ノートに思い出を書き出した後、堀は次の具体的な企画にも目を向けました。

単に町の記録を残すだけでなく、目に見える形で枚方市をより良くしていくためのアクションです。

堀:
「まずはゴミ拾いですね。枚方の堤防が大好きで、自然が多くて本当にいいところだなと思うんです。でも、実際に歩いてみると、動画や写真には映らない場所にゴミが結構落ちているんですよ」

大理石柄のテーブルに置かれたMacのノートパソコンで、動画編集作業をしている様子。

堀は、町の美しさを映像だけで切り取るのではなく、実際に手を動かして整えることに意味があると考えています。ゴミを拾うことで、枚方の自然に少しでも恩返しができると感じているのです。

堀:
「 動画で見ると綺麗に見えますけど、実際にはそうじゃない場所もある。その差を埋めるのが、私たちにできることかなと思います」

ニッペパーク岡東中央(岡東中央公園)の野外ステージと、その奥に見える枚方市役所の市庁舎。

さらに、堀は町に暮らす人々の声を届けることにも注力しています。

特に個人で商店を営む方や飲食店をされている方に焦点を当て、その思いや歴史、なぜ枚方で店を始めたのかを直接伺うことで、町の魅力を立体的に伝えたいと考えています。

堀:
「枚方に関わる人たちーー住んでいる人、働いている人、学んでいる人、それぞれの視点で話を聞くことで、より豊かなメディアになると思います。誰か一人の思い出だけでなく、多くの人の思いを集めて形にするのが楽しみです」

こうして堀は、ノートに書き出した思い出を起点に、町の風景や人々の声、日常のちょっとした営みを丁寧に掬い上げるプロジェクトを進めています。思い出を言葉にし、行動に移すことで、枚方市の記憶は少しずつ、しかし確かに積み重なっていくのです。

企画ノートを通して見えてきた枚方の魅力

ニッペパーク岡東中央(岡東中央公園)の遊具。緑色の壁に丸い穴があり、その向こうに空が見えている。

企画ノートを振り返ると、枚方市にはさまざまな思い出と魅力が散りばめられていることに気づきます。

堀は、ノートに書き出したアイデアを見返すことで、枚方の過去や日常の営みを丁寧に掬い上げる楽しさを改めて感じたといいます。

堀:
「企画の中にはボツになったものもありますし、調べてより深く理解できた部分や、最初には思いもよらなかったアイデアが浮かんできたりもしました。本当に、企画を考えるのは楽しいんです」

枚方市駅前のバス停を発車する京阪バスの様子。現在は工事中。

堀は、町に暮らす人々の思いをつなぎ、枚方市の魅力を未来へ残すことこそ、ローカルメディアの本質だと考えています。

堀:
「だからこそ、ローカルメディアが形になるのが今から楽しみです。町の人の声や思い出を集めながら、一つひとつの企画を形にしていく時間が、とても大切だと思います」

動画では、堀が実際にノートに書き出した枚方市の思い出や、企画アイデアの具体例をお見せしています。また、ローカルメディアでどのようにそれらの思い出を形にしていくかについてもお話ししています。ぜひご覧ください。

続きはYouTubeでお楽しみください

花瓶に生けた花と大理石柄のテーブル、その上のMacノートパソコンと椅子に座る堀寛未。クリックするとYouTube動画が再生されます。

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もくじ

【ドキュメンタリー】ローカルメデイア、はじめます ―ローカルメディアができるまでの100日間― DAY1
【ドキュメンタリー】名前が生まれるとき、夢が形となる ―ローカルメディアができるまでの100日間― DAY2
【ドキュメンタリー】ノートに描いた枚方の記憶と未来 ―ローカルメディアができるまでの100日間― DAY3


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堀 寛未

堀 寛未

HORI HIROMI

大阪府枚方市出身。社会事業開発ACTION代表。ひらかたパークで宣伝広報として勤めたのち、2020年よりソーシャルビジネスに携わり、これまでライティングや、マーケティングなど、829本以上の動画講義をあげてきた。「枚方で叶えるちょっとだけ丁寧な暮らし」をコンセプトにしたローカルメディア「Re:HIRAKATA」を運営。

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