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【72の便り】七十二候が教えてくれる自然のリズムと美しい暮らし

七十二候は、自然の変化を細やかに表現した伝統的な季節のリズムです。一年を72の細やかな時期に分け、それぞれに独特の美しい名前が付けられています。これにより、私たちの暮らしと自然とのつながりをより深く感じることができます。
「72の便り」は、七十二候をテーマに、季節の移ろいを丁寧に紡いでいくシリーズです。日本の美しい四季を感じながら、日々の暮らしに寄り添う瞬間をお届けします。
今回は、そもそも七十二候とは何か。いつ、どうやって生まれたのか。七十二候の基礎と、楽しく暮らしに取り入れるアイディアをご紹介します。

日本には、季節を表す72の言葉がある

「七十二候」は、「しちじゅうにこう」と読みます。季節の移り変わりを繊細に表現した、日本独自の美しい暦のことです。
七十二候では、1年を72の小さな期間に分け、特有の自然現象や植物、生き物などの名前をつけています。
七十二候は中国生まれ、日本育ち

もともと七十二候は、中国の「二十四節気(にじゅうしせっき)」を基にしたもので、平安時代頃(794年〜1185年)に日本に取り入れられました。
しかし、南北に長い日本の四季や気候は、大陸の中国とは異なります。そこで、日本の自然の美しさを感じるための新たな解釈が生まれました。それが現在の七十二候です。
忙しい現代にこそ、季節の機微を

七十二候には、春の訪れを告げる「草木萌動」や、初夏の陽気に満ちた「蛙鳴」といった言葉があります。まるで自然が優しく囁いているかのよう。
日々の忙しさに追われがちな私たちですが、こうした言葉を意識することで、ほんの少し立ち止まり、周囲の美しさに目を向ける心の余裕が生まれてきます。
さらに、七十二候は季節の料理を楽しむきっかけにもなります。旬の食材を使った料理は、その時期にしか味わえない特別な贅沢。タケノコや春キャベツ、旬の魚たち……。七十二候を思い浮かべながら、自然がもたらす恵みを味わうことで、心豊かな食卓を囲むことができるでしょう。
七十二候は、どうやって分けているの?

まず、1年を4つの季節「春」「夏」「秋」「冬」に分けます。
次に、それぞれをさらに6つに分けます。すると、4×6で24の季節に区切られます。これを、「二十四節気」と呼びます。
「二十四節気なんて、聞いたことがない」なんて思う人もいるかもしれません。では、「立春」「夏至」「秋分」という言葉は、どうでしょうか。実はこれらが「二十四節気」なのです。現代の日本でも、カレンダーに記載されていたり、ニュースで聞いたりしますよね。
「二十四節気」の各一気(約15日)を、さらに5日ごとに区切ります。すると、15÷5で3つの期間に分けられます。最初の5日間の期間を「初候(しょこう)」。次の5日間の期間を「次候(じこう)」。最後の5日間の期間を「末候(すえこう、または、まつこう)」といいます。
これら「初候」「次候」「末候」に短い名前をつけたものが、「七十二候」です。計算すると、「初候」「次候」「末候」の3に、「二十四節気」の24を掛け、答えは72となります。72の小さな季節。だから「七十二候」と呼ばれているわけですね。
- 季節の大きなくくり(春・夏・秋・冬)
- それらを6つに分ける(二十四節気=立春・夏至・秋分・冬至など)
- さらに3つの期間に分ける(初候・次候・末候)
- これらに名前をつけたものが七十二候
例)冬至の初候を、七十二候では「乃東生(なつかれくさしょうず)」と呼ぶ
Re:HIRAKATAと七十二候

このように「七十二候」は、私たちに自然のリズムを教え、美しい暮らしを提案してくれる大切な存在です。ぜひ、日常の中にこの素敵な暦を取り入れて、自然とのつながりを楽しむ時間を持ってみてはいかがでしょうか。
Re:HIRAKATAでは、小さな季節の変化を楽しんでいただければと思い、トップページに七十二候を表示しています。もしも七十二候の詳細が知りたくなったら、「72の便り」をご覧ください。心を豊かにするひとときが、あなたを待っています。
一覧で見る七十二候
春
立春(りっしゅん)
初候・第一候「東風解凍 (はるかぜこおりをとく)」 2/4~2/8頃
春の風(東風)が氷を解かす
次候・第二候「黄鶯睍睆 (うぐいすなく)」 2/9~2/13頃
ウグイスが鳴き始める
末候・第三候「魚上氷 (うおこおりをいずる)」 2/14~2/18頃
魚が割れた氷から飛び出す
雨水(うすい)
初候・第四候「土脉潤起 (つちのしょううるおいおこる)」 2/19~2/23頃
土が雨で湿り気を帯びる
次候・第五候「霞始靆 (かすみはじめてたなびく)」 2/24~2/28頃
霞がたなびき始める
末候・第六候「草木萌動 (そうもくめばえいずる)」 3/1~3/4頃
草木が芽を吹き始める
啓蟄 (けいちつ)
初候・第七候「蟄虫啓戸 (すごもりのむしとをひらく)」 3/5~3/9頃
スズメが巣をつくり始める
次候・第八候「桃始笑 (ももはじめてわらう)」 3/10~3/14頃頃
桜の花が咲き始める
末候・第九候「菜虫化蝶 (なむしちょうとなる)」 3/15~3/19頃
春の雷が鳴り始める
春分 (しゅんぶん)
初候・第十候「雀始巣 (すずめはじめてすくう)」 3/20~3/24頃
スズメが巣をつくり始める
次候・第十一候「桜始開 (さくらはじめてひらく)」 3/25~3/29頃
桜の花が咲き始める
末候・第十二候「雷乃発声 (かみなりすなわちこえをはっす)」3/30~4/3頃
春の雷が鳴り始める
清明 (せいめい)
初候・第十三候「玄鳥至 (つばめきたる)」 4/4~4/8頃
ツバメが南から飛来する
次候・第十四候「鴻雁北 (こうがんかえる)」 4/9~4/13頃
ガンが北へ渡去する
末候・第十五候「虹始見 (にじはじめてあらわる)」 4/14~4/19頃
鮮やかな虹が見え始める
穀雨(こくう)
初候・第十六候「葭始生 (あしはじめてしょうず)」 4/20~4/24頃
アシ(ヨシ)が芽吹き始める
次候・第十七候「霜止出苗 (しもやみてなえいずる)」 4/25~4/29頃
霜が収まり苗代の稲が育つ
末候・第十八候「牡丹華 (ぼたんはなさく)」 4/30~5/4頃
牡丹の花が咲き始める
夏
立夏 (りっか)
初候・第十九候「蛙始鳴 (かわずはじめてなく)」 5/5~5/9頃
カエルが鳴き始める
次候・第二十候「蚯蚓出 (みみずいずる)」 5/10~5/14頃
ミミズが地上に這い出る
末候・第二十一候「竹笋生 (たけのこしょうず)」 5/15~5/20頃
竹の子が生え始める
小満 (しょうまん)
初候・第二十二候「蚕起食桑 (かいこおきてくわをはむ)」 5/21~5/25頃
蚕が盛んに桑の葉を食べ始める
次候・第二十三候「紅花栄 (べにばなさかう)」 5/26~5/30頃
ベニバナが盛んに咲く
末候・第二十四候「麦秋至 (むぎのときいたる)」 5/31~6/4頃
麦が熟して畑は黄金色になる
芒種(ぼうしゅ)
初候・第二十五候「螳螂生 (かまきりしょうず)」 6/5~6/9頃
カマキリが生まれる
次候・第二十六候「腐草為蛍 (くされたるくさほたるとなる)」6/10~6/15頃
腐った草からホタルが現れる
末候・第二十七候「梅子黄 (うめのみきばむ)」 6/16~6/20頃
梅の実が黄色く熟す
夏至 (げし)
初候・第二十八候「乃東枯 (なつかれくさかるる)」 6/21~6/25頃
ウツボグサが枯れだす
次候・第二十九候「菖蒲華 (あやめはなさく)」 6/26~6/30頃
アヤメが咲き始める
末候・第三十候「半夏生 (はんげしょうず)」 7/1~7/6頃
カラスビシャクが生え始める
小暑 (しょうしょ)
初候・第三十一候「温風至 (あつかぜいたる)」 7/7~7/11頃
温かい風が吹き始める
次候・第三十二候「蓮始華 (はすはじめてひらく)」 7/12~7/16頃
ハスの花が咲き始める
末候・第三十三候「鷹乃学習 (たかすなわちわざをならう)」7/17~7/21頃
今年生まれた鷹が飛翔の練習を始める
大暑大暑 (たいしょ)
初候・第三十四候「桐始結花 (きりはじめてはなをむすぶ)」7/22~7/27頃
桐の花が結実する
次候・第三十五候「土潤溽暑 (つちうるおうてむしあつし)」7/28~8/1頃
土が湿り蒸し暑くなる
末候・第三十六候「大雨時行 (たいうときどきふる)」 8/2~8/6頃
大雨が時に降る
秋
立秋 (りっしゅう)
初候・第三十七候「涼風至 (すずかぜいたる)」 8/7~8/11頃
涼しい風が立ち始める
次候・第三十八候「寒蝉鳴 (ひぐらしなく)」 8/12~8/16頃
ヒグラシが鳴き始める
末候・第三十九候「蒙霧升降 (ふかききりまとう)」 8/17~8/22頃
濃い霧が立ち込め始める
処暑 (しょしょ)
初候・第四十候「綿柎開 (わたのはなしべひらく)」 8/23~8/27頃
ワタの萼が開き始める
次候・第四十一候「天地始粛 (てんちはじめてさむし)」 8/28~9/1頃
暑さがようやく鎮まる
末候・第四十二候「禾乃登 (こくものすなわちみのる)」 9/2~9/6頃
穀物が実る
白露 (はくろ)
初候・第四十三候「草露白 (くさのつゆしろし)」 9/7~9/11頃
草の露が白く見える
次候・第四十四候「鶺鴒鳴 (せきれいなく)」 9/12~9/16頃
セキレイが鳴き始める
末候・第四十五候「玄鳥去 (つばめさる)」 9/17~9/21頃
ツバメが南下する
秋分(しゅうぶん)
初候・第四十六候「雷乃収声 (かみなりすなわちこえをおさむ)」9/22~9/27頃
雷鳴が聞こえなくなる
次候・第四十七候「蟄虫坏戸 (むしかくれてとをふさぐ)」 9/28~10/2頃
土の中に住む虫が越冬に入る
末候・第四十八候「水始涸 (みずはじめてかるる)」 10/3~10/7頃
水田の水を抜かれる
寒露 (かんろ)
初候・第四十九候「鴻雁来 (こうがんきたる)」 10/8~10/12頃
ガンが渡来し始める
次候・第五十候「菊花開 (きくのはなひらく)」 10/13~10/17頃
キクの花が咲き始める
末候・第五十一候「蟋蟀在戸 (きりぎりすとにあり)」 10/18~10/22頃
キリギリスが家の中で鳴き始める
霜降 (そうこう)
初候・第五十三候「霎時施 (こさめときどきふる)」 10/28~11/1頃
霜が降り始める
次候・第五十四候「楓蔦黄 (もみじつたきばむ)」 11/2~11/6頃
小雨がしとしと降るようになる
末候・第五十一候「蟋蟀在戸 (きりぎりすとにあり)」 10/18~10/22頃
モミジやツタの紅葉が始まる
冬
立冬 (りっとう)
初候・第五十五候「山茶始開 (つばきはじめてひらく)」 11/7~11/11頃
サザンカの花が咲き始める
次候・第五十六候「地始凍 (ちはじめてこおる)」 11/12~11/16頃
大地が凍り始める
末候・第五十七候「金盞香 (きんせんかさく)」 11/17~11/21頃
スイセンの花が咲き始める
小雪 (しょうせつ)
初候・第五十八候「虹蔵不見 (にじかくれてみえず)」 11/22~11/26頃
虹が現れなくなる
次候・第五十九候「朔風払葉 (きたかぜこのはをはらう)」 11/27~12/1頃
北風が葉を払いのける
末候・第六十候「橘始黄 (たちばなはじめてきばむ)」 12/2~12/6頃
タチバナの実が黄色く色づき始める
大雪 (たいせつ)
初候・第六十一候「閉塞成冬 (そらさむくふゆとなる)」 12/7~12/11頃
天と地が寒がり真冬になる
次候・第六十二候「熊蟄穴 (くまあなにこもる)」 12/12~12/15頃
熊が冬眠のために穴に篭る
末候・第六十三候「鱖魚群 (さけのうおむらがる)」 12/16~12/20頃
鮭が群がり川を上る
冬至 (とうじ)
初候・第六十四候「乃東生 (なつかれくさしょうず)」 12/21~12/25頃
ウツボグサが芽を出す
次候・第六十五候「麋角解 (さわしかのつのおつる)」 12/26~12/30頃
シカが角を落とし始める
末候・第六十六候「雪下出麦 (ゆきわたりてむぎのびる)」 12/31~1/4頃
麦が雪の下で芽を出す
小寒 (しょうかん)
初候・第六十七候「芹乃栄 (せりすなわちさかう)」 1/5~1/9頃
セリがよく育つ
次候・第六十八候「水泉動 (しみずあたたかをふくむ)」 1/10~1/14頃
凍った泉が動き始める
末候・第六十九候「雉始雊 (きじはじめてなく)」 1/15~1/19頃
オスのキジが鳴き始める
大寒 (だいかん)
初候・第七十候「款冬華 (ふきのはなさく)」 1/20~1/24頃
フキノトウの蕾が出始める
次候・第七十一候「水沢腹堅 (さわみずこおりつめる)」 1/25~1/29頃
沢の氷が厚く張る
末候・第七十二候「鶏始乳 (にわとりはじめてとやにつく)」 1/30~2/3頃
ニワトリが卵を産み始める
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