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【72の便り】第二十七候「梅子黄 (うめのみきばむ)」 6/16~6/20頃

七十二候は、自然の変化を細やかに表現した伝統的な季節のリズムです。一年を72の細やかな時期に分け、それぞれに独特の美しい名前が付けられています。これにより、私たちの暮らしと自然とのつながりをより深く感じることができます。
「72の便り」は、七十二候をテーマに、季節の移ろいを丁寧に紡いでいくシリーズです。日本の美しい四季を感じながら、日々の暮らしに寄り添う瞬間をお届けします。
6/16~6/20頃の第二十七候は「梅子黄(うめのみきばむ)」。熟した梅の実が黄色く色づき、枝先に小さな夏の兆しを宿す季節です。

6/16~6/20頃の七十二候は「梅子黄(うめのみきばむ)」。
青かった梅の実が、ほんのりと黄色く色づきはじめる頃です。枝先に重たく実るその姿は、初夏の陽をたっぷりと浴びて、静かに熟れゆく自然の時間の流れを映しています。
梅の実は、酸っぱくて、どこか懐かしい香り。やがて梅干しや梅酒、シロップへと姿を変え、夏を乗り越える知恵として私たちの暮らしに寄り添います。それは、季節の恵みを余すことなく生かす、昔ながらの知恵のひとつでもあります。
梅が黄ばむこの時季、手仕事の時間が静かに始まります。ひとつひとつの実を選び、塩や氷砂糖に漬ける作業は、未来の自分や家族への贈り物を仕込むようなもの。忙しい日々の中に、ふと立ち止まり、季節と向き合う豊かなひとときが生まれます。
雨が続く梅雨の空の下、窓辺に揺れるガラス瓶の中で、少しずつ変化していく梅の姿を眺める時間もまた、心を整える静かな時間。自然のめぐりとともに、季節を受け取り、暮らしに取り入れる――そんな営みの中にこそ、深い豊かさがあるのかもしれません。
少しずつ夏の足音が近づくこの季節、どうぞ、梅の香りとともに、ゆるやかに流れる時間を味わってみてください。

もくじ
第二十六候「腐草為蛍 (くされたるくさほたるとなる)」6/10~6/15頃
第二十七候「梅子黄 (うめのみきばむ)」 6/16~6/20頃
第二十八候「乃東枯 (なつかれくさかるる)」 6/21~6/25頃 ※2025年6月21日公開予定
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