枚方で叶える「ちょっとだけ」丁寧な暮らし

あの日、あのとき、枚方で

【思い出】あの日言えなかった「好き」

二人の女子が道路で立ち話をしている様子。クリックすると動画が再生されます。

「あの日、あのとき、枚方で」は、「枚方で過ごした小さな日常の物語」をコンセプトに、大阪府枚方市での思い出や街の風景、人とのささやかな関わりを切り取ったエッセイ動画です。読むたびに、あのときの風景や気持ちがそっとよみがえる、そんなやさしい時間をお届けします。

青空が画面の大部分を占め、下方にわずかに木と民家の屋根が見える風景。
ここから、枚方での小さな物語が始まります。

あの日のことを思い出すと、今でも胸の奥が少し切なくなります。舞台は中学時代。友達のAちゃんと登校するために待ち合わせ場所へ向かうと、そこにはなぜかSさんが立っていました。そこで突然、AちゃんとMくんが付き合っていると告げられ、驚きと戸惑いが一度に押し寄せてきました。

夜遅くまで長電話をするほど仲が良かったMくんに抱いていた気持ちは、恥ずかしさとともに胸の奥へしまい込むしかありませんでした。

今回は、その初恋の記憶を振り返りながら、あのとき言えなかった「好き」の思いを静かに綴ります。

ぜひ最後までお楽しみください。

中学生の私とMくん

夜の室内で固定電話の画面が光り、着信を知らせている様子。
1時間近く話して親に叱られることも

中学生の頃、私には仲のいい男の子・Mくんがいました。まだスマホもガラケーも持っていなかった時代で、夜になると家の電話で長く話していたのを覚えています。

当時の私は自分の気持ちに気づいていませんでしたが、振り返ってみればきっとMくんが好きだったのだと思います。もしかすると、Mくんも同じように私を思ってくれていたのかもしれません。

突然の知らせと、別れ

道路に立つ女子が、隣の人物を笑顔で見ている様子。

ある朝、いつものように仲良しのAちゃんと登校するために待ち合わせ場所へ向かいました。すると、なぜかそこにはSさんが立っていました。

「一緒に行ってもいい?」と声をかけられ、私たちは3人で歩き始めました。

しばらくして、Sさんが唐突に言いました。

「そういえば、AちゃんってMくんと付き合っているんだよね。」

手前に木が茂り、遠くに民家やマンションが並ぶ街並み。青空が広がる風景。

私はショックを受けました。Mくんとは毎日のように電話をしていたし、Aちゃんとは毎朝一緒に登校していた。大好きな2人が付き合っていて、しかも私だけが知らされていなかったのです。

その後の会話や学校までの道のりは、不思議とまったく記憶に残っていません。

住宅街の道路が坂道になって奥まで伸び、車が走る様子。両側には花や木が植えられた歩道と民家が見える風景。

さらに1週間ほど経ったある朝、またSさんが待ち合わせ場所にいました。

そして今度は、「Aちゃん、Mくんと別れたんでしょう?」と告げられたのです。中学生の交際が短期間で終わることは珍しくありませんが、大切な2人の出来事をまたもやSさん経由で知ることになり、複雑な気持ちが残りました。

あのとき、何が起こったのだろう?

夕暮れの車道を、多くの車が走っている様子。

大人になってから、私はひとつの仮説を立てました。――あれは、3人が立てた「計画」だったのではないか。

私がMくんへの気持ちを曖昧にしていたから、わざとお芝居をして、揺さぶったのではないか。そう考えると、普段は待ち合わせ場所にいないSさんが現れたことにも、説明がつきます。

川の左手にまっすぐ伸びる歩道があり、木が等間隔で並ぶ。奥には川を渡る大きな橋と青空が見える風景。

それとも本当に、AちゃんとMくんが付き合っていて、私が気づかないから、Sさんが知らせてくれただけだったのか。今となっては確かめることはできません。

けれど、今でもふとMくんのことを思い出します。もしあの時、勇気を出して「好き」と伝えていたら、何かが違っていたのでしょうか。

そんな答えのない問いを胸に抱えながら、あの日の記憶は今も私の中で輝き続けています。

動画では、音楽とナレーションであの日のやり取りをお届けしています。ぜひご覧ください。

続きはYouTubeでお楽しみください

二人の女子が道路で立ち話をしている様子。クリックすると動画が再生されます。

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堀 寛未

堀 寛未

HORI HIROMI

大阪府枚方市出身。社会事業開発ACTION代表。ひらかたパークで宣伝広報として勤めたのち、2020年よりソーシャルビジネスに携わり、これまでライティングや、マーケティングなど、829本以上の動画講義をあげてきた。「枚方で叶えるちょっとだけ丁寧な暮らし」をコンセプトにしたローカルメディア「Re:HIRAKATA」を運営。

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