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【制作の裏側】静かに注目を集める歴史の物語。Re:HIRAKATAのショート動画「坂上田村麻呂」が再生数1,486回を突破

Re:HIRAKATAのYouTubeチャンネルで公開しているショート動画「教科書では語られなかった東北の物語。坂上田村麻呂の知られざる素顔に出会う。【ヒストリカル枚方・第2回】」が、再生数1,486回を突破しました。

これは、他のショート動画の5.5倍にあたる数字で、高評価の数も増え、日々ご覧いただいている皆さまに、心から感謝しています。

ただ、最初から順調だったわけでは、ありません。試行錯誤を重ね、失敗を繰り返しながら、少しずつ形にしてきた結果の数字です。

今回は、その舞台裏と、制作の工夫について、少しだけお届けしたいと思います。

YouTubeアナリティクスのスクリーンショット。再生回数やグラフが表示され、平均より5.5倍の視聴回数と高評価の増加が示されている

紙と文字で描いた日々から、光と音の世界へ

白い服を着た女性が白いテーブルにノートパソコンを開き、ナチュラルな鉢植えの小さな観葉植物が置かれている。女性は頬杖をついて横を見ており、正面から撮影されている

Re:HIRAKATAを運営する社会事業開発ACTION・代表の堀寛未は、以前、ひらかたパークで宣伝広報を担当し、ポスターやパンフレット、チラシなどのDTP制作に携わってきた経験があります。

その後、ブロガーとしてSEOに特化した記事制作にも挑戦。読者に伝わる言葉や構成を模索しながら、表現の幅を広げていきました。

白い服を着た女性の横顔のアップ。白い壁の前で白いティーカップを両手で持ち、飲み物を口にしながら笑顔で談笑している様子

しかし、動画制作は、それらとはまったく異なる世界でした。

映像の動きや音楽、画面の切り替えを、一つひとつ意識しながら作ることが必要で、正直に言えば、動画制作には昔から苦手意識がありました。

スマホを握る誰かの手に届けたい1秒がある

パソコンでYouTubeを開き、ショート動画を再生しているスクリーンショット。縦長の画面に坂上田村麻呂と思われる人物とRe:HIRAKATAのロゴが表示されている

ショート動画は、スマホで全画面表示される縦向きの動画であることが、大きな特徴です。

横向きの動画とは異なり、画面の広さや、アイコンの位置、一覧で表示されたときに、どれだけ目を引くかを意識する必要があります。

また、わずか数秒で視聴者の心を掴むためには、再生開始1秒の映像や音が、非常に重要です。

Canva ProでYouTubeショート動画を編集しているスクリーンショット。画面中央には縦長の映像が表示され、坂上田村麻呂をイメージした着物の男性の後ろ姿が桜の咲く塚の前に立っている。左側のサイドメニューには豊富なオーディオ素材が表示されている

私はまず、従来の長尺動画を30本制作し、それを縦向きにリメイクしてショート動画として30本作る作業を行いました。

素材の切り取り方や、構成の工夫を重ねるなかで、Canva Proの豊富な動画素材や、音楽素材、AI生成の機能を活用するように。

Photoshopや、IllustratorでのDTP経験が土台となり、画面構成や、色、文字の配置の感覚が、役立っています。

白い机の上に置かれたシルバーの細身のヘッドフォン。奥にはぼやけたパソコンのキーボードが映り、動画編集の一コマをイメージさせる

制作を進める中で、試行錯誤の繰り返しでした。

しかし、「案ずるより産むが易し」という言葉通り、まず手を動かして、経験を積むことで、少しずつ改善できることを実感。

一つひとつの試みが、次の工夫につながっていったように思います。

4,589回に見た光と、消えてしまった悔しさ

YouTube Studioのスクリーンショット。1分を少し超えてしまったため、視聴回数4,589を突破したものの非公開になった幻のショート動画の画面

実は、これまでに、視聴回数4,589回を超えたショート動画が、ありました。

しかし、その動画は、1分を少し超えていたため、YouTubeに「ショート」として認定されず、現在は非公開となっています。

制作当時は、ルールを理解していたつもりでも、制作に夢中になるあまり、確認を怠ってしまったのです。

リメイクしたYouTubeショート動画をパソコンで再生しているスクリーンショット。視聴回数は伸びなかったものの、制作の学びを得た様子が伝わる

同じ内容で1分以内に作り直しましたが、思ったようには再生数が伸びず……。当時は、悔しい思いをしました。

しかし、この経験から、「細かなルールや、視聴者の視点を意識することの大切さ」を学んだのです。失敗は苦いものでしたが、現在の制作には、この教訓が確実に生きているーー。今は、そう感じています。

サムネイルの静けさが集めた1,486の視線

白い服を着た女性が白い壁の前に置かれたガラステーブルに頬杖をつき、横を向いて話している様子。白い椅子に座っている

今回、ショート動画が再生数1,486回を突破した要因は、なんだったのかーー。編集部なりに、考察してみました。

まず、思い浮かぶのは、サムネイルの表現です。

坂上田村麻呂と思しき男性が、甲冑をまとい、砂埃舞う戦地に立つ姿は、まるで、映画のワンシーンのような印象を与えました。そして、文字は中央に大きく、明朝体の縦書きで、「処刑のため、京へ」とだけ配置。

見ている人に、「処刑って、なんだろう?」「この人物は誰? 俳優さん?」と、興味を持ってもらうえるようにしました。

実は、この人物は、Canva ProのAIで生成したもの。実在するわけでは、ないのです。

Canva ProでYouTubeショート動画を編集しているスクリーンショット。画面中央には縦長の映像が表示され、坂上田村麻呂をイメージした甲冑の男性が砂埃舞う戦地に立っている。下部には映像の切り替えタイミングやオーディオの波形が表示されている

次に、動画の再生時には、仏具のおりんを思わせるチーンという音が鳴り響き、念仏のような重低音と組み合わせました。坂上田村麻呂が、仏教を信心していたことから、このような演出となったのですが、これが短い時間で、視聴者の心を引き込む工夫となっています。

なお、こちらの演出でも、Canva Proの素材を活用しました。おりんはホテルのフロントなどに置かれているベルの音。念仏のような重低音は、ドローンのホバリング音です。

タネがわかれば何も怖くはない音なのですが、黒い画面で流れていると、不気味ですよね。

疲れた日にも帰りたくなる、落ち着く家を目指して

白い服を着た女性が白い壁の前のガラス製テーブルに座り、白い椅子に腰掛けて誰かに向かって話している様子。斜め下からのアングルで撮影されている

こうした小さな工夫から、今回、ショート動画が、再生数1,486回を突破したのだと、推測しています。

ただ、視聴回数は、一つの指標に過ぎません。

Re:HIRAKATAのチャンネルは、派手な笑いや、ニーズのあるノウハウ系動画のように、簡単に再生数が伸びるわけではありません。

それより大切にしたいのは、チャンネルの世界観です。

日常で疲れたり、嫌なことがあたりしても、帰って来れば落ち着く、家のような存在でありたいーー。そう考えながら、今後も動画制作を続けていきたいと、思っています。

白い服を着た女性が白い壁の前で、ガラス製のテーブルに置かれたノートパソコンを前に斜め前を見つめて話しかけている。両手はキーボードの上にあり、テーブルには観葉植物と資料が置かれている。横から引きで撮影されたシーン

今回、ショート動画が再生数1,486回を突破できたのは、ひとえに、ご覧いただいた皆さまのおかげです。

視聴や、コメント、高評価、チャンネル登録で応援してくださる方々の存在が、制作の励みになっています。本当にありがとうございます。

これからも、少しずつ工夫を重ねながら、皆さまにとって、心地よい時間を届けられる動画を、作り続けていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

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堀 寛未

堀 寛未

HORI HIROMI

大阪府枚方市出身。社会事業開発ACTION代表。ひらかたパークで宣伝広報として勤めたのち、2020年よりソーシャルビジネスに携わり、これまでライティングや、マーケティングなど、829本以上の動画講義をあげてきた。「枚方で叶えるちょっとだけ丁寧な暮らし」をコンセプトにしたローカルメディア「Re:HIRAKATA」を運営。

  1. あの日、あのとき、枚方で|Nちゃんと観たアルマゲドン篇

  2. ローカルメディアができるまでの100日間|DAY5 デザインの意図と意味

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