Re:HIRAKATAのYouTubeチャンネルで公開しているショート動画「教科書では語られなかった東北の物語。坂上田村麻呂の知られざる素顔に出会う。【ヒストリカル枚方・第2回】」が、再生数1,486回を突破しました。
これは、他のショート動画の5.5倍にあたる数字で、高評価の数も増え、日々ご覧いただいている皆さまに、心から感謝しています。
ただ、最初から順調だったわけでは、ありません。試行錯誤を重ね、失敗を繰り返しながら、少しずつ形にしてきた結果の数字です。
今回は、その舞台裏と、制作の工夫について、少しだけお届けしたいと思います。

紙と文字で描いた日々から、光と音の世界へ

Re:HIRAKATAを運営する社会事業開発ACTION・代表の堀寛未は、以前、ひらかたパークで宣伝広報を担当し、ポスターやパンフレット、チラシなどのDTP制作に携わってきた経験があります。
その後、ブロガーとしてSEOに特化した記事制作にも挑戦。読者に伝わる言葉や構成を模索しながら、表現の幅を広げていきました。

しかし、動画制作は、それらとはまったく異なる世界でした。
映像の動きや音楽、画面の切り替えを、一つひとつ意識しながら作ることが必要で、正直に言えば、動画制作には昔から苦手意識がありました。
スマホを握る誰かの手に届けたい1秒がある

ショート動画は、スマホで全画面表示される縦向きの動画であることが、大きな特徴です。
横向きの動画とは異なり、画面の広さや、アイコンの位置、一覧で表示されたときに、どれだけ目を引くかを意識する必要があります。
また、わずか数秒で視聴者の心を掴むためには、再生開始1秒の映像や音が、非常に重要です。

▲Canva Proで動画を編集している様子。
私はまず、従来の長尺動画を30本制作し、それを縦向きにリメイクしてショート動画として30本作る作業を行いました。
素材の切り取り方や、構成の工夫を重ねるなかで、Canva Proの豊富な動画素材や、音楽素材、AI生成の機能を活用するように。
Photoshopや、IllustratorでのDTP経験が土台となり、画面構成や、色、文字の配置の感覚が、役立っています。

制作を進める中で、試行錯誤の繰り返しでした。
しかし、「案ずるより産むが易し」という言葉通り、まず手を動かして、経験を積むことで、少しずつ改善できることを実感。
一つひとつの試みが、次の工夫につながっていったように思います。
4,589回に見た光と、消えてしまった悔しさ

▲非公開となったショート動画。現在は非公開。
実は、これまでに、視聴回数4,589回を超えたショート動画が、ありました。
しかし、その動画は、1分を少し超えていたため、YouTubeに「ショート」として認定されず、現在は非公開となっています。
制作当時は、ルールを理解していたつもりでも、制作に夢中になるあまり、確認を怠ってしまったのです。

▲作り直すも残念な結果に……。
同じ内容で1分以内に作り直しましたが、思ったようには再生数が伸びず……。当時は、悔しい思いをしました。
しかし、この経験から、「細かなルールや、視聴者の視点を意識することの大切さ」を学んだのです。失敗は苦いものでしたが、現在の制作には、この教訓が確実に生きているーー。今は、そう感じています。
サムネイルの静けさが集めた1,486の視線

今回、ショート動画が再生数1,486回を突破した要因は、なんだったのかーー。編集部なりに、考察してみました。
まず、思い浮かぶのは、サムネイルの表現です。
坂上田村麻呂と思しき男性が、甲冑をまとい、砂埃舞う戦地に立つ姿は、まるで、映画のワンシーンのような印象を与えました。そして、文字は中央に大きく、明朝体の縦書きで、「処刑のため、京へ」とだけ配置。
見ている人に、「処刑って、なんだろう?」「この人物は誰? 俳優さん?」と、興味を持ってもらうえるようにしました。
実は、この人物は、Canva ProのAIで生成したもの。実在するわけでは、ないのです。

▲Canva ProのAIで生成した坂上田村麻呂。
次に、動画の再生時には、仏具のおりんを思わせるチーンという音が鳴り響き、念仏のような重低音と組み合わせました。坂上田村麻呂が、仏教を信心していたことから、このような演出となったのですが、これが短い時間で、視聴者の心を引き込む工夫となっています。
なお、こちらの演出でも、Canva Proの素材を活用しました。おりんはホテルのフロントなどに置かれているベルの音。念仏のような重低音は、ドローンのホバリング音です。
タネがわかれば何も怖くはない音なのですが、黒い画面で流れていると、不気味ですよね。
疲れた日にも帰りたくなる、落ち着く家を目指して

こうした小さな工夫から、今回、ショート動画が、再生数1,486回を突破したのだと、推測しています。
ただ、視聴回数は、一つの指標に過ぎません。
Re:HIRAKATAのチャンネルは、派手な笑いや、ニーズのあるノウハウ系動画のように、簡単に再生数が伸びるわけではありません。
それより大切にしたいのは、チャンネルの世界観です。
日常で疲れたり、嫌なことがあたりしても、帰って来れば落ち着く、家のような存在でありたいーー。そう考えながら、今後も動画制作を続けていきたいと、思っています。

今回、ショート動画が再生数1,486回を突破できたのは、ひとえに、ご覧いただいた皆さまのおかげです。
視聴や、コメント、高評価、チャンネル登録で応援してくださる方々の存在が、制作の励みになっています。本当にありがとうございます。
これからも、少しずつ工夫を重ねながら、皆さまにとって、心地よい時間を届けられる動画を、作り続けていきたいと思います。よろしくお願いいたします。