※※※ 鋭意製作中 ※※※
【青山フラワーマーケットの花物語】03: 花器と花の美しいハーモニーを楽しむ

「青山フラワーマーケットの花物語」は、花のある暮らしをテーマに、全3回でお届けしてきました。
第1回では、**空間に奥行きを与える“ブラックディスプレイ”**を取り上げ、そして第2回では、**花がもたらす「時間の豊かさ」**についてご紹介しました。
そして最終回となる今回は、花そのものだけでなく「花を支える器=花瓶」に注目します。色、形、高さ、素材——選ぶ楽しさ、飾るよろこび。植物と器の調和が、暮らしの風景をいっそう豊かにしてくれます。

日常にひそむ、花と器の美しい調和

青山フラワーマーケットでは、植物だけでなく、それを引き立てるさまざまな花瓶も取り扱っています。
透明なガラスのシンプルな一輪挿しから、背の高い枝物やユリを支えられるフロアサイズの大ぶりな器まで。素材もデザインも実に多彩で、金属や陶器、色付きガラスなど、国内外の作家ものやブランドものも揃います。

花瓶の色や形状によって、同じ花でも印象は大きく変わります。
テーブルの隅や本棚に置く小さなガラス花瓶なら、茎や水の揺らぎまで楽しめますし、玄関やリビングに置く重厚な花瓶なら、空間の主役としての存在感を放ちます。

花瓶がつくる、心地よい余白

私自身、白を基調としたインテリアに合わせて、これまでは白や透明なガラス製の花瓶を選ぶことが多かったのですが、2024年に初めて「色のある花瓶」を迎えました。それは、やわらかなピンク色の花瓶です。

きっかけは、ピンクの空を描いたお気に入りのポスター。空間に少し色が入ることで、気持ちまでやわらかくなるのを感じました。
ピンクは好きな色でありながら、甘さが気になって敬遠していた色でもありましたが、この花瓶はインテリアの雰囲気を崩さず、優しさを添えてくれる存在になっています。
やさしい色合わせを叶える花瓶たち

花瓶に色があると、そこに生ける花との色のバランスを考える楽しさも増します。
ピンクの花瓶には、あえて同系色を避けて、反対色の水色や紫、または白い花を合わせることが多いです。そうすることで、全体が甘くなりすぎず、引き締まった印象に仕上がります。

また、花瓶の素材によっても組み合わせの印象は異なります。ガラスの透明感が花を引き立てることもあれば、陶器の質感が空間に落ち着きを与えることも。
暮らしの中で、季節や気分に合わせて「植物 × 花瓶」のペアを選ぶことは、ささやかながら豊かな習慣になります。

暮らしの中で、花瓶は“脇役”のように思われがちですが、実は花と空間をつなぐ大切な存在です。
ひとつひとつ違う形や素材、色の花瓶が、それぞれの植物と出会うことで生まれるハーモニー。ぜひ、日々の暮らしの中で、あなただけの組み合わせを見つけてみてください。

全3回にわたる「青山フラワーマーケットの花物語」は、これでひと区切り。花とともに過ごす時間の豊かさが、少しでも伝わっていたら嬉しく思います。
これからも、暮らしの中に花を迎えるひとときが増えていきますように。

もくじ
【青山フラワーマーケットの花物語】01: ブラックの魔法—花の美しさを際立たせるディスプレイ
【青山フラワーマーケットの花物語】02: テーマ別ブーケでインテリアを彩る
【青山フラワーマーケットの花物語】03: 花器と花の美しいハーモニーを楽しむ
バックナンバー
