このたび、Google公式の「GA4スキル認定試験」に合格しました。
少し聞き慣れない名称かもしれませんが、ウェブサイトのアクセス解析に関するスキルを証明する資格です。
……と、さらりとご報告してみたものの、ここに至るまでの道のりは決して平坦ではなく、「わからない」「難しそう」「どうしても馴染めない」そんな気持ちと、何度も向き合うことになりました。
今回は、私たちがなぜこの試験に挑戦したのか、そしてその過程で何を感じ、どんな学びを得たのかを、「Re:HIRAKATAを運営する一編集者」として、また「ひとりの学び手」として綴ってみたいと思います。
このメディアが、これからもっと読者の方にとって“役に立つ存在”であるために。そんな想いとともに、ちょっとした舞台裏をお届けします。
数字の奥にある“読者の気配”を感じたくて

Re:HIRAKATAでは、地域の情報や、暮らしを少しでも豊かにするヒントを日々お届けしています。
けれど、記事を書いて発信するだけでは終わらないのが、メディア運営という仕事。
「この記事、ちゃんと読まれているかな?」
「どこからたどり着いて、どこで離脱してしまったんだろう?」
そんなふうに、読者の足跡を知りたくなる場面がたびたびあります。
これまでもアクセス解析を使ってこなかったわけではありません。
でも、ツールが従来の「UA(ユニバーサルアナリティクス)」から「GA4(Google アナリティクス4)」へと大きく仕様変更されたとき、正直なところ、少し距離を置いてしまっていました。
画面の見た目も変わり、用語も新しくなり、これまでの感覚がまったく通用しない。
開くたびに、「うーん……」と首をかしげては、そっとブラウザを閉じる日々。
それでも、「もっと読者の声に寄り添いたい」「届け方を、数字を手がかりに見直したい」。
そんな想いが膨らんでいき、改めてGA4を学び直すことに決めました。
小さなノートと、毎日のすき間時間から

学び直しのスタート地点は、Googleの公式YouTubeチャンネルでした。
けれど、動画を再生してみると……出てくるのは新しい専門用語のオンパレード。聞き慣れない言葉の連続に、頭にスッと入ってこない感覚がありました。
そこで助けを求めたのが、ChatGPT。
「この言葉、どういう意味?」
「例え話で説明してもらえる?」
そうやって一つひとつの疑問をその場で質問し、自分なりにかみ砕きながら、Notionに“自分専用の解説ノート”を作っていきました。
勉強に充てたのは、朝の静かな時間や、作業と作業の合間、夜のひと息つける時間など、すき間を見つけて少しずつ進めていくスタイルです。
もちろん、順調な日ばかりではありません。
途中、体調を崩して丸一週間まったく手をつけられなかったことも。体調が回復しても、ようやく覚えた内容をすっかり忘れてしまい、がっくり肩を落としました。
「知っている」だけでは、解けなかった

試験は、全50問・75分の選択式。合格には80%以上の正答率が求められます。
最初のチャレンジでは、60%というスコア。
「よし、次は!」と気持ちを切り替えて挑んだ2回目。ところが――結果はまさかの57%。点数が、下がってしまっていました。
がんばったつもりなのに、なぜ……とショックを受けつつも、すぐに思い当たることがありました。
それは、問題文の読解力と、選択肢の文脈を読み解く力。
ただ用語を暗記しているだけでは、太刀打ちできない設問が多く、まるで実務を想定した“応用力のテスト”のようでした。
GA4の理解は、「知っている」から「使いこなせる」へ。そんな学びの深さと向き合う時間でもありました。
突破口は「自分で説明する」練習

3回目の挑戦に向けて取り組んだのは、“自分の言葉で説明する”練習でした。
問題文の構造を読み解き、選択肢の意図を想像し、「なぜこれが正解なのか」「なぜ他は違うのか」をNotionに書き出していく——。
一見まわり道のようですが、この地道な作業が少しずつ理解を深めてくれました。
ただ暗記するのではなく、意味をつかみ直す。
そうしてようやく、GA4というツールが「使えるもの」として、自分の中に落ちてきた気がします。
数字の向こうに、読者の姿が見えてくる

そして迎えた3度目の挑戦。スコアは 84%。
目標にしていた「7月31日までの合格」を、1日前倒しで達成することができました。
GA4のしくみを学ぶ中で、数字は単なるスコアや指標ではなく、「読者の行動そのもの」を表しているのだと実感しました。
どんな記事に興味を持ってくれたのか。どのタイミングでページを離れてしまったのか。それはまるで、“声なきフィードバック”のようなもの。
これからはそのサインを、もっと丁寧に、やさしくすくい上げていきたいと思っています。
「届ける」のその先へ。等身大の編集をつづけていきます

Re:HIRAKATAでは、これからも暮らしに寄り添う情報をお届けしていきます。同時に、「どうすればもっと届くのか?」を、数字の視点からも見つめていく。
そんな、編集部としてのささやかな成長も、少しずつ、見えるかたちで綴っていけたらと思っています。
私たちが「やってみた」からこそ、伝えられることがある。
このメディアをつくっているのは、どこにでもいる、ひとりの生活者である私たちだから。
今回のGA4も、そのひとつ。
そして学びの途中、「中小企業診断士」という国家資格にまで興味が広がったのは、自分でも驚きでした。来年(2026年)の受験を目指して、早速、勉強に取り掛かっています。
数字を読み解くことは、誰かの想いに近づくことでもある。
だからこれからも、暮らしと向き合いながら、等身大の取り組みを、ときどき言葉にして残していきます。