※※※ 鋭意製作中 ※※※
【オンラインギャラリー】イラストレーター・星奈の6月展「紫陽花に降る、しずかな雨の朝」——全96作品より抜粋|後半:不思議と神秘が交差する、タロットの森

まるで朝露に濡れた森の小径を歩くような、その一歩ごとにどこか遠い記憶が呼び覚まされるようなイラストレーター・星奈さんの6月展「紫陽花に降る、しずかな雨の朝」。
前半では星座たちがそっと語りかけるような運勢のイラストをご紹介しました。
そして今回は、展覧会の後半へ。足を踏み入れるのは、不思議と神秘が交差する「タロットの森」です。
木漏れ日のように差し込む淡い光、葉のすき間から聞こえる小さなささやき。
制作途中のスケッチや完成へ向かう過程の絵のひとつひとつに、まだ名前のついていない物語が宿っています。それは誰かの心にだけそっと届くメッセージかもしれません。
迷いと希望を行き来する静かな森の時間。どうぞゆっくりとお楽しみください。

前半:不思議と神秘が交差する、タロットの森
静かな森の奥にひそむタロットの世界は、ひとつひとつが秘密をたたえた小さな窓のよう。迷いながらも進む足音に、神秘のささやきがそっと寄り添います。
制作途中のイラストからは、まだ形を変える余地を残した物語が静かに揺れています。
ここには、見つけた者だけに届く静かな魔法が宿ります。今日という日が、心の静けさとともに始まりますように。




静かな朝、雨粒が葉に落ちては、星のしずくのように輝きを放つ。
時の流れを感じながら、物語がゆるやかに目を覚ます。




霧に包まれた森のなか、足音は静けさに溶けていく。
そこで芽吹く言葉なき物語が、そっと心の奥へと届く。




雨音がやわらかく響く朝、空気の隙間から見える光が揺れる。
まだ形を成さない物語が、少しずつ形を整えていく




しっとりと濡れた苔の上をそっと歩けば、時の記憶がふわりと舞い戻る。
静かに刻まれた物語の断片が、今ここに息づく。




紫陽花の葉先に落ちる雨粒が、まるで秘密のささやきのように響く。
透き通った世界の片隅で、物語はゆるやかに紡がれていく。




風がそっと吹き抜け、森の香りが胸に広がる。
言葉にできない感情が形を変えて、心の奥で静かに踊りはじめる。




霧の中、柔らかな光が差し込み、世界は淡くぼやけていく。
曖昧な境界線のなかで、まだ見ぬ物語がゆっくりと動き出す。




雨に濡れた葉の匂いが漂う。
静けさの中、物語は静かに深まり、目に見えない糸が絡み合って広がっていく。




森の息遣いを感じながら、時の流れがやわらかくほどけていく。
過ぎ去った瞬間とこれからの予感が混ざり合い、物語を編み上げる。




雨のしずくが葉から落ちるたびに、見えない想いがひとつ、またひとつ形を変えていく。
静かな世界のなかで、星のしるしがそっと輝きを増していく。




慌ただしい日常の合間に、ぽっと灯る静寂の時間。
そこでは、言葉にできない感覚がそっと心を満たし、ありのままの自分とやさしく寄り添う。


小さな勇気が胸に灯り、気づかぬやさしさが背中を押す。
この一枚の絵が、あなたの一日にそっと寄り添えますように。
ー おしまい ー

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