いつの間にか、休むのが下手になっていました。
日曜日には、平日にできなかった家事を詰め込み、家族との時間を優先して、自分のことは後回し。本当は「日曜日を休む日」にして、心と体を回復させたいのに、「休むって、なんだっけ?」と戸惑うことも。
『日曜日は休みませんか?』は、枚方での暮らしの中で“休む”という感覚を見つめ直すエッセイ連載です。
朝起きても、着替えない。今日は一日、何もしないで、パジャマのままでいようと決めました。私はこれを、「パジャマデー」と呼んでいます。
ブラインドの隙間から差し込む光が、部屋の中にやわらかく広がっていきます。洗濯機を回す音も、玄関のドアが開く音もしない。何もしないし、どこにも行かないし、誰にも会わない。そんな日曜日です。
ベッドの上でごろりと横になりながら、スマホで動画を見たり、ゲームをしたり。パジャマデーは何をしてもいいし、何もしなくてもいいのです。
「しなきゃいけないこと」が一つも頭に浮かばない時間が、こんなにも静かで贅沢だなんて。
ふと、窓の外から、車の走る音が聞こえてきます。鳥の鳴き声や、子供の笑い声。それらを私はパジャマのまま、聞き流します。
外の世界が少し遠くに感じるような、やさしい孤独が、ここにあります。
今日は、誰のためでもなく、自分のために時間を使っていいパジャマデー。きっとそれだけで、心の奥が少しずつほぐれていくのだと思います。
あえて何も生産しなかった一日が終わると、夜、再びベッドに戻るのです。「休むって、本来、こういうことだよね」と思いながら。


もくじ
【Vol.01】『なんでもない日のお楽しみ お菓子パーティー』ー日曜日は休みませんか?
【Vol.02】『朝のコンビニ散歩とひとつだけの贅沢』ー日曜日は休みませんか?
【Vol.03】『パジャマのままで、今日を終える』ー日曜日は休みませんか?
バックナンバー

