Re:HIRAKATAのYouTubeチャンネルでお届けしている動画が、字幕に対応しました。
YouTubeを始めた当初は、動画をつくり、定期的に投稿することに慣れるだけで、精一杯でした。けれど発信を重ねるうちに、「耳の不自由な方にも言葉を届けたい」という思いが芽生えました。
そして、家事の合間や通勤電車での移動中、子どもを寝かしつけた静かな時間など――「音が出せない場面でもYouTube動画を楽しめる」という字幕の便利さにも気づいたのです。
枚方の物語を、もっと多くの人に。
その願いから、今回の字幕対応に踏み出しました。
ここに至るまでの経緯や、字幕をつける工夫――それはRe:HIRAKATAの小さな挑戦でもあります。最後まで見守っていただけたらうれしいです。

紙のデザインは得意。でも動画は別の世界

「Re:HIRAKATA」を運営する社会事業開発ACTION代表の堀寛未は、かつてひらかたパークの宣伝広報を務めていました。
DTP(ポスターやチラシなど、紙媒体のレイアウトデザイン)が専門で、その後はWEBデザインにも携わるようになりました。

どちらも基本的には平面で静的なデザイン。そのため、動画には昔から苦手意識がありました。
映像や音楽、効果音、テロップ、画面の切り替え――動きのある表現には、なかなか自信を持てなかったのです。
動画制作の第一歩と、自分らしいスタイルの発見

まずは、動画の撮影や編集に慣れることから始めました。
最初のころは、横画面で撮らなければいけないのに、縦画面になってしまったり、手が映り込んでいたり、撮影しているつもりがうまくできていなかったり――失敗したことも多くありました。
それでも、やってみると思っていたよりずっと楽しく、今では外出時には必ず、三脚とモバイルバッテリーを持ち歩くほどになりました。

動画の編集は、Canva(Pro)を使用。
他の人が作った動画を研究した結果、画面の切り替えはほとんど使わず、音楽も控えめに。シンプルでありながら、Re:HIRAKATAの世界観やコンセプトを大切にするスタイルを見つけました。

振り返ると、私が動画を「やりたくない」「苦手」と感じていた原因は、YouTubeでよく見る派手なリアクションや、にぎやかな音、カラフルな文字にあったのだと気づきました。
自分らしい形を見つけることで、動画制作は少しずつ心地よいものになっていったのです。
クリックだけではない、伝えたい想いを込めた投稿

そうしてできあがった動画を、いよいよYouTubeに投稿します。
タイトルはどうするか、概要欄には何を書くか、タグはどう設定するか――投稿前に考えることはたくさんあり、私はまた、ひとつひとつ研究を重ねました。

YouTubeでは、よく「知らないとヤバイ」「絶対にやってはいけない」「◯◯な人だけが知っている」といった、煽るようなタイトルを目にします。
でも、タイトルで人の不安を掻き立て、動画がクリックされることだけを目的にしたくはありません。
枚方の魅力に気づいてほしい、枚方が好きな人に集まってほしい――そんな思いを込めて、タイトルには感情や景色、匂いや温度が伝わる表現を心がけています。

概要欄も同じように、興味を持ってくださった方が知りたいことがきちんと伝わるよう工夫しています。
動画の内容やRe:HIRAKATAのこと、使用している楽曲やツールなどを丁寧に書き、見てくださる方の理解をサポートしています。
耳の不自由な方にも、すべての人に届けたい想い

動画投稿にも慣れ、少しずつ自信がついてきた頃、ずっと心の奥に引っかかっていたことがありました。
それは、耳が不自由な方にも言葉を届けたい――という思いです。
実は小学生の頃、手話サークルに入っていたことがあります。入部したのは私一人でしたが、先生に手話を習い、たくさんの生徒の前で「手のひらを太陽に」を披露したことを覚えています。
今では手話は完璧にはできませんが、動画に字幕をつけることで、言葉を届け、共感してもらえるのではないかと思いました。
さらに字幕には、便利さという利点もあります。
電車での移動中、家事の合間、子どもを寝かしつける夜――音が出せない状況でも、安心して動画を楽しんでもらえるのではないかと考えたのです。
ユーザビリティを大切にした字幕作成のプロセス

YouTubeには自動翻訳機能があります。
私も視聴者として何度か使ってみました。動画の音声を自動で文字にしてくれるのでとても便利です。
ただ、翻訳が正確でなかったり、文字が途中で切れたりすることもあり、読みづらさを感じる場面がありました。
そこでRe:HIRAKATAでは、ユーザビリティを優先し、自分で字幕をつけることにしました。

字幕作成のフローは、大きく分けて3つのステップからなっています。
- 音声を書き起こす
以前は、音を聞いては止めて書き起こす、という作業で時間がかかりました。
今では、動画をアップロードすれば数秒~数分で文字にしてくれる便利なツールがあります。 - 字幕用データに変換する
一度に表示する文字数や秒数、必要に応じて言語数を設定することで、より読みやすくなります。 - YouTubeにアップロードして微調整
字幕専用のデータファイルをアップロードし、誤変換や途中で切れている文字を修正します。
こうして、誰もが安心して動画を楽しめる字幕付き動画が完成します。

もっと多くの人に、枚方の魅力を届けたい

こうしてたくさんの小さな挑戦を重ね、Re:HIRAKATAのYouTube動画は字幕対応となりました。
動画制作の苦手意識や試行錯誤を経てたどり着いたこの形は、耳が不自由な方にも、そして音を出せない時間でも動画を楽しみたい方にも、枚方の物語を届けるためのひとつの工夫です。
これからも、動画の内容や伝え方を少しずつ工夫しながら、枚方の魅力を多くの人に届けていきたいと思います。

