枚方で叶える「ちょっとだけ」丁寧な暮らし

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 【制作の舞台裏】音が出せないときも安心。YouTube動画を字幕対応にしました

Re:HIRAKATAのYouTubeチャンネルでお届けしている動画が、字幕に対応しました。

YouTubeを始めた当初は、動画をつくり、定期的に投稿することに慣れるだけで、精一杯でした。けれど発信を重ねるうちに、「耳の不自由な方にも言葉を届けたい」という思いが芽生えました。

そして、家事の合間や通勤電車での移動中、子どもを寝かしつけた静かな時間など――「音が出せない場面でもYouTube動画を楽しめる」という字幕の便利さにも気づいたのです。

枚方の物語を、もっと多くの人に。

その願いから、今回の字幕対応に踏み出しました。

ここに至るまでの経緯や、字幕をつける工夫――それはRe:HIRAKATAの小さな挑戦でもあります。最後まで見守っていただけたらうれしいです。

机の上にノートを広げ、笑顔で何かを書き込む白いシャツの女性。背景の大きな窓には遠くの街並みが見える。

紙のデザインは得意。でも動画は別の世界

ノートパソコンのキーボードに入力する女性の手元のアップ

「Re:HIRAKATA」を運営する社会事業開発ACTION代表の堀寛未は、かつてひらかたパークの宣伝広報を務めていました。

DTP(ポスターやチラシなど、紙媒体のレイアウトデザイン)が専門で、その後はWEBデザインにも携わるようになりました。

パソコンの裏側。赤いコードが一本、その下に白いコードが三本伸びている配線の様子。

どちらも基本的には平面で静的なデザイン。そのため、動画には昔から苦手意識がありました。

映像や音楽、効果音、テロップ、画面の切り替え――動きのある表現には、なかなか自信を持てなかったのです。

動画制作の第一歩と、自分らしいスタイルの発見

コンクリート打ちっぱなしの壁にもたれる白いノースリーブの女性。長い黒髪で、上空を見つめている。

まずは、動画の撮影や編集に慣れることから始めました。

最初のころは、横画面で撮らなければいけないのに、縦画面になってしまったり、手が映り込んでいたり、撮影しているつもりがうまくできていなかったり――失敗したことも多くありました。

それでも、やってみると思っていたよりずっと楽しく、今では外出時には必ず、三脚とモバイルバッテリーを持ち歩くほどになりました。

Canva(Pro)の編集画面。複数の動画を繋ぎ合わせ、文字を入れ、BGMとナレーションを追加している様子。
Canvaでの動画編集作業の様子

動画の編集は、Canva(Pro)を使用。

他の人が作った動画を研究した結果、画面の切り替えはほとんど使わず、音楽も控えめに。シンプルでありながら、Re:HIRAKATAの世界観やコンセプトを大切にするスタイルを見つけました。

コンクリート打ちっぱなしの壁にもたれて微笑む白いノースリーブの女性。動画撮影や編集の苦手意識を乗り越え、自分なりのスタイルを見つけた瞬間を表現。

振り返ると、私が動画を「やりたくない」「苦手」と感じていた原因は、YouTubeでよく見る派手なリアクションや、にぎやかな音、カラフルな文字にあったのだと気づきました。

自分らしい形を見つけることで、動画制作は少しずつ心地よいものになっていったのです。

クリックだけではない、伝えたい想いを込めた投稿

Re:HIRAKATAのYouTubeチャンネルバナー。京阪電車枚方市駅のホームの風景が写っている。
バナーに写っているのは、京阪電車枚方市駅のホーム

そうしてできあがった動画を、いよいよYouTubeに投稿します。

タイトルはどうするか、概要欄には何を書くか、タグはどう設定するか――投稿前に考えることはたくさんあり、私はまた、ひとつひとつ研究を重ねました。

Re:HIRAKATAのYouTubeチャンネル投稿画面。投稿する動画やタイトル、説明を編集している様子。
投稿する動画やタイトル、説明を編集している様子。

YouTubeでは、よく「知らないとヤバイ」「絶対にやってはいけない」「◯◯な人だけが知っている」といった、煽るようなタイトルを目にします。

でも、タイトルで人の不安を掻き立て、動画がクリックされることだけを目的にしたくはありません。

枚方の魅力に気づいてほしい、枚方が好きな人に集まってほしい――そんな思いを込めて、タイトルには感情や景色、匂いや温度が伝わる表現を心がけています。

Re:HIRAKATAのYouTubeチャンネルに投稿した動画の概要欄。動画の内容やRe:HIRAKATAの情報、キャプチャーなどをわかりやすくまとめている。
概要欄には、動画の内容やRe:HIRAKATAの情報などを、わかりやすくまとめている。

概要欄も同じように、興味を持ってくださった方が知りたいことがきちんと伝わるよう工夫しています。

動画の内容やRe:HIRAKATAのこと、使用している楽曲やツールなどを丁寧に書き、見てくださる方の理解をサポートしています。

耳の不自由な方にも、すべての人に届けたい想い

白いシャツを着た黒く長い髪の女性。ノートにペンで書き込みながら、反対の手で頬杖をつき、考え込んでいる様子。背後の大きな窓から遠くの街並みが見える。

動画投稿にも慣れ、少しずつ自信がついてきた頃、ずっと心の奥に引っかかっていたことがありました。

それは、耳が不自由な方にも言葉を届けたい――という思いです。

実は小学生の頃、手話サークルに入っていたことがあります。入部したのは私一人でしたが、先生に手話を習い、たくさんの生徒の前で「手のひらを太陽に」を披露したことを覚えています。

今では手話は完璧にはできませんが、動画に字幕をつけることで、言葉を届け、共感してもらえるのではないかと思いました。

さらに字幕には、便利さという利点もあります。

電車での移動中、家事の合間、子どもを寝かしつける夜――音が出せない状況でも、安心して動画を楽しんでもらえるのではないかと考えたのです。

ユーザビリティを大切にした字幕作成のプロセス

YouTubeに投稿した動画の再生画面。自動翻訳機能が音声を字幕にしているが、文字が途切れて読みづらい様子。
YouTubeの自動翻訳。文字が途切れて読みづらい。

YouTubeには自動翻訳機能があります。

私も視聴者として何度か使ってみました。動画の音声を自動で文字にしてくれるのでとても便利です。

ただ、翻訳が正確でなかったり、文字が途中で切れたりすることもあり、読みづらさを感じる場面がありました。

そこでRe:HIRAKATAでは、ユーザビリティを優先し、自分で字幕をつけることにしました。

YouTubeに投稿した動画の再生画面。自分で設定した字幕では、表示秒数や文字数、言語数、改行位置などを調整し、文章が読みやすくなっている様子。
表示秒数や文字数、改行位置などを調整。字幕が読みやすくなる。

字幕作成のフローは、大きく分けて3つのステップからなっています。

  1. 音声を書き起こす
     以前は、音を聞いては止めて書き起こす、という作業で時間がかかりました。
     今では、動画をアップロードすれば数秒~数分で文字にしてくれる便利なツールがあります。
  2. 字幕用データに変換する
     一度に表示する文字数や秒数、必要に応じて言語数を設定することで、より読みやすくなります。
  3. YouTubeにアップロードして微調整
     字幕専用のデータファイルをアップロードし、誤変換や途中で切れている文字を修正します。

こうして、誰もが安心して動画を楽しめる字幕付き動画が完成します。

YouTubeに投稿する動画の字幕編集画面。専用の字幕ファイルをアップロードした後、誤字や改行位置を修正してより読みやすくしている様子。

もっと多くの人に、枚方の魅力を届けたい

ガラス張りのビルの前で微笑むノースリーブに長い黒髪の女性。Re:HIRAKATAのこれからについて語るイメージ。

こうしてたくさんの小さな挑戦を重ね、Re:HIRAKATAのYouTube動画は字幕対応となりました。

動画制作の苦手意識や試行錯誤を経てたどり着いたこの形は、耳が不自由な方にも、そして音を出せない時間でも動画を楽しみたい方にも、枚方の物語を届けるためのひとつの工夫です。

これからも、動画の内容や伝え方を少しずつ工夫しながら、枚方の魅力を多くの人に届けていきたいと思います。

画面の大部分を雲ひとつない青い空が占め、下部にはガラス張りの高層ビルが少しだけ見えている。
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堀 寛未

堀 寛未

HORI HIROMI

大阪府枚方市出身。社会事業開発ACTION代表。ひらかたパークで宣伝広報として勤めたのち、2020年よりソーシャルビジネスに携わり、これまでライティングや、マーケティングなど、829本以上の動画講義をあげてきた。「枚方で叶えるちょっとだけ丁寧な暮らし」をコンセプトにしたローカルメディア「Re:HIRAKATA」を運営。

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